9 グリップヒーター
通勤を快適にする為のツールとしてまずはじめにボディマウントスクリーンとリアボックスを取り付けた。次にセキュリティアラームとウインカー音、ドライブレコーダーと来た。そしてハンドル幅の縮小と同時進行で取り付けたのが、このグリップヒーターだ。グリップヒーターも通勤快適化の為には外せないツールだと思う。
グリップヒーターとの出会い
2014年9月
京太郎が変なバイクを買ってきた。
中華エンジン搭載ホンダカブ。
いやいや、世界的名車なカブをなめてるのではない。
エンジンが問題なのだ。
京太郎の話では、車体は元50ccでエンジンが中華製の110cc(?)
んんん???
ちょっと待て。
ホンダカブは日本製だからこその世界的名車のホンダカブだろ?
何故に中華エンジン?
「安かったから」
おいおい、大和魂を忘れたのか?
武士は食わねど高楊枝なのが武士道だろ?(意味不明。)
まあ、とにかく、貧乏学生の京太郎は5万円で買った中華エンジンカブに乗る事になった。
グリップヒーター体験
2014年12月の事故でコマジェを無くした俺はPCX125が納車されるまでの約一ヶ月、この中華エンジンカブで通勤した。
このカブにはグリップヒーターが付いていた。
グリップヒーターの存在は知っていて
「グリップヒーターなんて金の無駄使いだ。道楽商品じゃないの?」
「真冬の冷たい時期は1万円位のちょっといい手袋があれば良い。」
と思っていたが、実際に使ってみると
「なんじゃこりゃ!?
熱い、熱すぎる!
嬉しいぞ、この温もり、感動~!!」
と、俺はその時、グリップヒーターの素晴らしさを知り号泣した。(冬のバイク生活で、手が冷たいのはしょうがないと諦めていたが、実はそうではない事を知り嬉しかった。)
費用面で考えてもグリップヒーターは5千円ほどで買える。グリップヒーターがあれば、手袋は安物で十分。
コスト面でも長い目で見れば高価な手袋を買うより
グリップヒーター + 安物手袋の方が費用は安く、
そして何より ”暖かい”
費用面でも実用性でも、これまでの手袋だけを上回る快適さ。これは毎日バイクで通勤する俺(バイクに毎日乗る人)にはとても有難い代物だと実感した。
グリップヒーター選び
絶対にグリップヒーターを付ける派になった俺は2014年12月に納車されたPCX125(JF56)に取り付けるグリップヒーターを楽天やアマゾンであれこれ調べた。
俺が選択したのはこれ
コミネ KOMINE ネオプレーン ハンドルウォーマー ブラック フリー 09-021
アマゾンでも楽天でもバカ売れしている。実際に使ってみると、生地が良い!すごく丈夫そうだし雨にも強い。
楽天の最安値を確認キジマ(Kijima) グリップヒーター GH08 ダイヤルスイッチ と、ついでに コミネ ハンドルウォーマー も買った。
PCX ACC電源別回路作成
俺は新しく取り付ける電装品の電気系統を”リレーを使ってのACC電源別回路”から電源を取る予定だったので2SQや1.25SQ電線、リレーにヒューズを用意していた。
リレーを使ったACC電源化がしたかった俺は、バッテリーから直接の線を配線する為、PCXの外装を外していく。
スクーターの外装くらい、昔はよく外したもんだ。
こんなの簡単な作業だよ!
なんて甘く考えていた俺。
用意した秘密兵器”パネル外し”を使い慎重に外装をはずすも・・・
画像一番左の黄色の棒がパネル外し。
パキッ!
・・・まあ、1個くらいしゃあないわ・・・
パキッ!
・・・そして又
パキッ
・・・・!!!
な・な・なんだと~!!!
ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
こんだけ慎重にやってこれかいっ!
見事に折れていくPCXのツメ。
あかんわこれ、
もう、やめやめ・・・
(T-T)
外装を1つ外すごとに1つ2つ折れていく。結局3本折ったところでこの計画は中止し、素直にオプションカプラー(サービスカプラー)から電源を取る事にした。
(はじめからそうしとけばよかった!くそっ!)
素人はPCXのカバー外しなんてやめておいた方が良い。一昔前のスクーターとは全然違う。違いすぎるぞ、これは。時間の無駄だ。
PCXをいじるなら
孤独のPCX ‐PCX150(KF18 / 2014年式)のカスタムブログ‐
ここはちゃんと見ておいた方がいい。オプションカプラーはこのブログさんの情報を参考にさせてもらった。
グリップヒーター (後から考えた)取り付け前の準備
グリップヒーターとハンドル交換は同時に行う方が良い。俺の場合、グリップエンド、ハイスロットル、がまだ届いていないのにいきなりハンドル交換&グリップ交換だけしたので二度手間となった。
やはりここもカスタム計画をきちんと立ててやるべきだと思う。そんな失敗だらけの経験から、このサイトを見てグリップヒーターを今後取り付けようとする方の為に手順を考えた。(自分の為にも)
(後から考えた)グリップヒーター取り付け
ハンドル交換&グリップヒーター取り付け 必要材料
今回は実際の作業記録の公開ではない。
①交換用のハンドル
②グリップヒーター
③ハイスロットル
④グリップエンド(バーエンド)
を用意する。
実際は何度も非効率的な作業をしたが、この経験を元に後からじっくり考え「取り付けを効率的に行う手順」という形で説明する。
①電気配線
電気はPCX125(JF56)の場合、あらかじめ”グリップヒーター専用”の配線が用意されているので、そこから取る。(注意:間違ってもACC電源別回路を作ろうと、バッテリーから線をひく為に外装を外して、外装のツメをパキパキパキッと3つも折ってはいけない。重要)
2極カプラーと4極カプラーが黒のビニールテープで巻かれている。その線をたどると、ビニールテープでグルグルにまかれたキボシが出てくる。線の色はプラスが黒赤ライン線 マイナスは緑だ。
これをグリップヒーターのプラス線とマイナス線に接続すれば終了。
②ハンドル交換
2-1 ハンドルはこの部分で固定されているだけなので、ハンドルについているブレーキやら、アクセルやらミラーやらを外してしまえば、外れてくれる。ノーマルハンドルのグリップやグリップエンドはそのまま付けたままでいい。(注意:間違っても、ノーマルハンドルのグリップエンドのネジを壊したあげく、ノーマルグリップをぶった切り、グリップエンドをガスバーナーで焼くなんて荒業で外し、ハンドル交換と同時に行うべきグリップエンドを後から買ってきて、後日取り付けるなんて二度手間な事をしてはいけない。)
2-2 ハリケーンのバーハンドルに交換し、ハイスロットルを取り付け、アクセルワイヤーもうまい事取り付ける。(注意:間違ってもハンドルだけ先に交換し、1週間後にスロットルの交換をする為に又ハンドルをバラすなんて非効率的な事をしてはいけない。重要。)
2-3 ハリケーンのバーハンドルには元々取付用の穴が開いているので、そこを目印に取り付ければOK(俺は爪を折り、穴は無視して取り付けた。)
③グリップヒーター取り付け
グリップヒーターのグリップには線が付いているので、アクセルを回した時に接触しないような位置を探す。
グリップは固定するので、接着剤を塗り、ハンドルに入れていく。左側はハンドルに直に接着し、右側(アクセル側)はスロットルと接着する。間違ってもスロットルとハンドルを接着しないように。俺は専用ボンドを使わず、ボンドウルトラを使った。(専用品が一番高い。BY 経験豊富な元大工)
グリップヒーターがきつくて入らない時は、シリコーンスプレーを使う&グリップヒーター電源ONでグリップヒーターを熱で柔らかくしてから入れる。
④グリップエンド取り付け
諸事情あり、俺は110mmのグリップを取り付けている(既製品は120mm)。110mmだと少しハンドルが出っ張るので電動斬鉄剣(サンダー)で5mm程カットしてからグリップエンドをつけた。
グリップエンドの取り付け方は、どうみてもそうやるしかないので。
端折る!
あえていうなら、六角レンチでくるくるするだけ。
完成
グリップヒーター&ハンドルカバー使用感想
グリップヒーター + ハンドルカバー の組み合わせは
"こたつ"
わかりやすく言えばこれ。
コタツには熱を逃さない為に布団が必要。
布団は断熱材の役目を果たすのでコタツの中は暖かいのだ。
コタツに布団を掛けない状態は?
暖まらない。コタツヒーターのすぐ近くだけが暖かいだけ。
グリップヒーターもこれと同じで、グリップヒーターは熱源でそれを覆う"布団"の代わりがあれば中はぬくぬく状態だ。ゆえに、グリップヒーター&ハンドルカバーが最強の組み合わせとなる。(グリップヒーターのみで使うとエネルギー効率が悪い)
が、しかし、おれはグリップヒーターのみをあえてチョイスした。俺の移動距離は短いからだ。安全性&利便性を重視した。
最強は、グリップヒーター + ハンドルカバー
これに異存はない。が、手軽さがなくなる。移動距離が20分以上あれば、迷わずハンドルカバーを付けた方がよい。それ以下なら・・・・ それは個々の判断だろう。
ハンドルカバーをつけたら厚手の手袋より、薄手の手袋が使いやすい。俺はそうしている。
大寒波時の感想
2016年1月25日(月)
日本列島を大寒波が押し寄せた。なんとあの沖縄(1/24)にも雪が降ったそうだ。俺はエラソーにも「ハンドルカバーは手軽さがなくなる。」なんてわかった口をきいてしまったが、
この日は流石にハンドルカバーを取り付けた。
ハンドルカバーを取り付けた場合、手袋は薄手のグローブでOKだ。2~3分で暖まり、5分程でポカポカになる。そこからは暖かいを通り越しで熱い!
やはり、厳冬時(冬の寒い時期)には
グリップヒーター + ハンドルカバー が最強だと思い知った。少しだけバイクの操作性が落ちるが・・・安全運転の為には
背に腹はかえられん!
冬のバイクはとにかく手が”かじかんで”ブレーキレバーやクラッチレバーを触りたくなくなる。手が動かなくなるとバイク操作にも支障が出る!←これ、本当にあぶない。
通勤で毎日乗る人は安全運転の為に、絶対にグリップヒーター + ハンドルカバー を取り付けた方が良い。
ハンドルカバーの欠点
走行時の少しくらいの雨なら大丈夫だが、雨の中ずっと野外保管などで(⇒赤まる部分)が濡れると気持ち悪い。屋根がある場所での保管なら濡れる事もないので大丈夫だ。
中華エンジンカブの最後
結論から言おう。
1年持たず撃沈!
その後、俺の勧めで新車 YBR125 を買うのだった・・・
YBRも MADE IN CHINA だけどね。
日本メーカーのYAMAHA製なんだよ。
日本製をコピーして作られた中華エンジンはダメだが、日本メーカーが中国で作ったバイクはOKだ。
まあ、なんにしろグリップヒーターの良さを教えてくれた事には感謝する。
グリップの補修 追加記事 2018年8月16日
グリップヒーターのグリップは2~3年でハゲハゲのツルツルになってくる。タイヤがすり減るのと同じだ。
■すり減ったグリップ
俺の場合2015年10月17日にグリップヒーターを取り付けたが、2017年7月にこの様な状態になっていた。
もう少し使ってからグリップを新しく交換するというのも1つの方法だが、ネットで調べてみると、結構な人達が熱収縮チューブで補修やすり減り予防をしているのを発見した。
共和(ミリオン) ミリオン熱収縮 ラバーグリップ・スーパー 40mm×0.5mm×500mm(俺がアマゾンで買った2017年7月は948円だった)サイズは25mm、35mm、40mmと色々あるが、バイクのグリップは40mmを選べばOKだ。
この製造会社は釣り竿のグリップ保護用として売っているが、アマゾンのレビューを見ると40mmでは、バイクのグリップ用のコメントばかりという面白い現象が起きている。
■ミリオン熱収縮ラバーグリップ 取り付け
2017年7月17日
カッターでグリップと同じくらいの大きさにカットしグリップに入れる。この状態では少しだぶついているが、これは熱収縮チューブと同じで、熱する事で収縮してくれる。(書いてある字、そのままの説明だな・・・)
熱収縮チューブは電子工作でもよく使うので、俺はヒートガンを持っている。このヒートガンを使う方がきれいに仕上がるがライターでもOKだ。
ヒートガンで熱するとこれこの通り!あっという間にピッタリサイズ。
まんべんなくヒートガンをあてて完成!
■ラバーグリップ取り付けから1年後
2018年8月16日撮影
取り付け時、少し長かった部分はカッターで切った。それ以外は何もしていない。何だか光沢が出ている。
実際に俺も使って1年以上たつが、耐久性抜群で使い勝手も良い。
安いし(←これ一番重要)
グリップヒーターのグリップの補修はこれをお奨めする。
リンク先 amazon
これ50cmあるので、12.5cmづつ使えば2回使える。グリップを2~3毎に買い換える事を考えると、めちゃくちゃお買い得だと思う。
リンク先 amazon
電子工作など電気関係が好きな人なら知ってると思うヒートガン。簡単に説明すればドライヤーの超強力バージョン。熱収縮チューブを使う人ならこれはもっておいて損はない。1つ持っておけば一生使えると思う。
PCXのグリップエンドの固さに結構多くの人が苦戦しているようです。素人では無理です。専用工具が必要です。このサイトではハンドル交換をしていますが、ハンドルを交換せず、グリップヒーターだけを取り付けたいのであれば、グリップヒーターと新しいグリップエンドを買っておいて、ノーマルグリップはカッターで切り、例の秘密兵器でグリップエンドを溶かせば数分で外せます。その後、グリップヒーターと新しいグリップエンドを取り付ければOKです。
電気配線などは後の章でも解説していますので参考に。