10 自作スイッチ
今回は二部作で話は長くなる。PCX125(JF56)にLED補助ライトを取り付けるのだが、問題が次々に出てくる。物語はスイッチ作成からはじまる。
PCX125(JF56)ヘッドライトの問題点
現状
2014年4月PCXはフルモデルチェンジした。
2代目PCX125(JF56)はヘッドライト、テールランプ、ウインカーランプ、ライセンスランプの全灯火器にLEDが採用された。
LEDの光(ヘッドライト)は青白く、暗い印象がする。
街乗りでは全く問題はないが、夜間暗い場所を走るとヘッドライトの明かりだけでは不十分。特にハイビームが弱い。
問題①光量不足
俺の毎日の通勤路で深夜遅く住宅街を通る。その暗い道に歩行者がいて発見が遅れ、ヒヤリとした事があった。
問題②すぐ手前が暗い
又、雨天の夜間走行では視界が悪く突然マンホールが現れハットする事があった。 ("ヒヤリハット"ってやつ)
問題点 ① 光量不足
問題点 ② すぐ手前が暗い
ヒヤリ・ハットをほうっておくと
重大な事故につながる可能性がある。
ヒヤリ・ハット (←知らない人の為に WIKIpedia)
対策 補助ライト
今回の俺の要求
① 耐久年数10年以上
② コストは出来るだけ抑える事
③ 消費電力の少ないLEDライトである事
消費電力問題、コストの問題を考えながら、ネット検索する。
日本製がいいんだけどなあ~・・・でも高いしな~・・・ヘッドライトをもう一つ追加してみてはどうか?・・・でも、消費電力がなあ~
と、散々調べた。本当にあれこれと探したが、結局アマゾンで安く売っていたLEDライトを買う事にした。
理由 安かったので(←かなり重要)
取り付け場所はフロントカウル内側。
フロントフォーク下部分も取りつけ場所候補にあがるが、長年使う事を考えると雨がしのげてロックチェーンの邪魔にもならないフロントカウル内側がベストだと思った。
理由 見た目がかっこいいので(←かなり重要)
11月8日商品が届く
狭角と広角の2種類を取りつけようと思い1つずつ買った。
スイッチはハイビームと連動させたかったが、配線方法などネットで色々調べてもやり方がわからず、結局新規でスイッチを付ける事にした。
スイッチ選定
俺の要求を満たすスイッチが売っていない!
場所は左側ハイビーム&ロービーム切り替えスイッチ周辺だ。
補助ライトにはスイッチが必要なのだが、
アマゾンの安もんスイッチだけはつけたくないし・・・(470円)かといって、デ○トナの高い価格のスイッチもねえ・・・(2500円) 何なんだこの価格差は?
無い物はしょうがない。
自分で作る事にする!
いつものコーナンプロショップでスイッチボックスに適した素材を探す。いつものネジ売り場で数十分、店内を時間を掛けて物色・・・すると、電材売り場で良さげなモノを発見した!
電気工事に使われる部品(因幡電工 ボルト吊り金具 コンパクトタイプ SHB-S)
に目が留まる。
これ、ちょうどいい大きさだなあ。安いし。(約80円)この中にトグルスイッチがはいるなあ。
これをスイッチボックスの躯体として使う事にした。この部品は鉄骨などにはさみ、電気器具を天井からぶら下げる時に使う部品だ。あちこちに穴が開いていて、ボルトのネジもあるし使えそうだ。
防水トグルスイッチとLEDライト スイッチボックスの中はスイッチオンで点灯する仕組みにする。
スイッチボックスをライト切り替えボタンの少し上に取り付ける為、どんな風にすればいいか試行錯誤を繰り返す。
ここをこうして、あれをこうして・・・あの部品がいるな・・・こうやったらどうか・・・いや、こうやったほうが・・・
タバコをくわえ、焼酎を飲みながら考える。イモネジなんかも作ってみたり(結局、不採用になったが)最高に楽しい時間だ。
ちょうどミラーを取りつけるネジ穴があるので、そこにボルト&ステーでスイッチボックスを固定する事にする。ボルトは細目ボルトM10×20にした。
ミラーのネジに要注意!
バイクのミラーは振動で緩みやすい為、通常のネジではなく細目ネジが使われている。通常のネジは入らないので無理矢理やるとネジ穴がこわれてしまう。
PCX125(JF56)のミラーネジは細目ボルトのM10だ。
あと、絶縁の為にシリコンを買う。そしてこれが今回のお買いもので買ってきたスイッチボックスの各パーツ達だ。
準備は整った!
スイッチボックス作成
2種類の吊り金具のうち、小さい方に決定した。
①吊り金具のいらない部分の除去
サンダーを使い、横のハネを切断した。
②トグルスイッチに電線取りつけ、その周りにビニールテープを巻き、その中にシリコンを流し込んだ。
③ニチフのこの容器が今回の防水カバーだ。
中身を抜き、吊り金具を入れてみる。
少し隙間があるが、そこには1mm、3mmのアクリル板をスペーサーとして使う。
④スイッチオンで光るスイッチボックスにする予定。ボックス内に仕込む白色の小型LEDライト。トグルスイッチはシリコンを入れ完全防水の為ビニールテープでぐるぐるにしておく。
⑤ボックス組立
防水用のボックスにはニチフの商品ボックスをそのまま使った。
おそらく、ニチフは防水性能にこだわってこのボックスを作ったに違いない。と思った。だってこれ電気部品を入れる箱だからだ。(水が簡単に入るような構造では中に入ってる部品が役に立たない。)
作業は試行錯誤の繰り返しだった。
さてさて出来上がったか。
作業当日に備え下準備を入念にしておく。今回リレー、ヒューズボックス(5A)等を用意した。
スイッチボックス&補助ライト 取り付け
自作スイッチボックスを試行錯誤しながら数週間かけて作った俺。全てはこの日の為だ。
さあ、今日は本番だ!
スイッチ取り付け
まずはお決まりのボディマウントシールドと黒のカバーを外す。
何度も外しているので手馴れてきた。
今回補助ライトの電源を取るのは2極カプラーからだ。
ここはドライブレコーダーの電源も取っている。
ドライブレコーダーの消費電力はかなり少ない。メーカーのHPによると消費電力は5Wとのこと。このLEDライトは1つ10Wとしているが実際は約7Wである。2つで14W + 5W で合計 約19W (約1.6A)
電線径は0.5SQ程度なので60W(約5A)くらいまでならOK。許容電流的に問題は無し。
スイッチボックスを仮付けし配線をする。
配線が出来たところで通電テスト。
スイッチオンで補助ライト点灯!
スイッチボックスの中のLEDライトの点灯よし!
配線はOKだ。
電気の配線をきれいにたたんで終了。
今回スイッチを使うのでリレーを使った。
スイッチボックスの中のLEDライト。夜間の画像。
スイッチは俺の要求通り、ハイ・ロー切り替えスイッチのすぐ上。防水性能もバッチリ。
かかった費用
ニチフのボックス(300円くらい?)
金属フレーム100円
防水キャップ付きトグルスイッチ700円
LEDライト300円
ステー・その他雑費 1000~2000円
合計 2~3000円ってところか。
こういうタイプのスイッチボックスをヤフオクなどで売れば売れると思うのは俺だけか?
"LEDライト内臓 バイク用完全防水スイッチ"
価格1500円 送料込
おれなら絶対に買うな。
だってこれ、材料費だけで軽く1500円は超えるんだから。
誰か、丁度良い手頃な価格の使い勝手の良いスイッチを作ってほしい。
完全防水仕様でね。
まあ、爆発的ヒットはしないだろうけどね。
補助ライト 取り付け
次にこの補助ライトを本体に取り付ける。
フロントカウル内側のこの黒いカバーに取り付ける事にした。
のだが、
ここからPCX物語(当サイト)史上最悪の
悪戦苦闘の物語が始まるのだった・・・
続く・・・
話にもありましたが、この完全防水型 LED内臓スイッチを誰か作ってくださいな。バイクって完全防水が基本なんです。アマゾンでも楽天でも探しましたが、手ごろな価格(1000円~1500円)で良いヤツがないのですねえ。
大ヒットはしないでしょうが、今後はそれなりに需要はあると思いますよ。
肝心のLEDライトですが、これの取り付けが一番苦労したんです。
この難題をどうクリアしたのか?
次をどうぞ。