13 電気配線について

某掲示板で"グリップヒーターの取り付け方"を質問している人がいて、その質問に回答している人達のコメントがいい加減すぎてビックリした。それ以外に結構な人達が"グリップヒーターの電源はどこから?"と悩んでるみたいだ。

中でも多いのがこれ。

グリップヒーターの線を直接ホーンの配線と接続

「だって、みんなホーンの配線につけてるし~」

なんて人がいたら、こう聞きたい

自分のバイクのホーンの消費電力と配線の太さは?

許容電流値 一覧表

恐らくホーンの配線は0.5SQだと思う。60W(5A)以下にしなければいけないが、ホーンは25~30W(2~2.5A)と、なかなかの消費電力で、グリップヒーターは50~60W(4~5A)の消費電力。足すと75~90W(6.25~7.5A)だ。

0.5SQ線は60W(5A)以下、できれば30~40W(3.5A)以下が安全な線に対し、最大で90W(7.5A)!!(30w2.5Aオーバー)って。(※全て12Vバッテリーでの計算)

よく考えればホーンは常に鳴らすものではないし鳴らさない人の方が多いと思う。が、しかし!!中には凄い人もいて

ホーン配線を分岐して、グリップヒーター以外にもシガー電源をつけてナビやらスマホ充電やら・・・こうなってくると完全アウトだ。

実はグリップヒーターはバイクの電装品の中でも消費電力はトップクラスで余裕を考えると0.75SQ線1本をグリップヒーター専用で使うのがよい。

電気の怖さを知らない素人作業は本当に怖い。

この意識をまずは持ってほしいと思う。

電気系統をカスタムする為の必要知識

① 消費電力 = 電流 × 電圧
② 電線の許容電流値
③ リレーとは何か?
④ 何故ヒューズが必要か?

これを見てピンとこないなら、今すぐバイクショップへGO!

(悪い事は言わん、あなたの為だ)

PCX125(JF56)の場合

PCX125(JF56)の場合、初めから電源を取る為のオプションカプラー(サービスカプラー)が用意されているので、そこから取ればいいだけ。何も考える必要はない。

PCX125(JF56)オプションカプラー

①???(セキュリティ)カプラー

黒(白色ライン)、黒(白色ライン)の謎の線。

俺は使っていない。何でもイモビアラーム(セキュリティ関係)(?)とかなんとか。(ここは触るな。エンジンがかからなくなるぞ。)

②2Pカプラー(補助電源カプラー)

黒(赤線)(+)、 緑(-)のACC電源。0.5SQ(60W)

俺はこの線を分岐し、補助ライト(21W)とドライブレコーダー(5W)に使っている。

③グリップヒーター用

黒(赤線)(+)、 緑(-)のACC電源。0.5SQ(60W)

はじめからキボシがついている。2P(セキュリティ)カプラー&2P(予備電源)カプラーはすぐ見つかるが、グリップヒーター専用の線はビニールテープでグルグルにされているのでわかりずらい。俺のグリップヒーター(MAX50W)の配線もここに接続した。

オプションカプラーがない人の場合

既存の配線はさわらない

これが賢こいやり方。

例えばバイクに乗りだし、3年後に(生活環境の変化などで)バイクを手放す事になった場合、ただちにノーマルの状態に戻す必要がある。

それは次にそのバイクに乗る人の為でもあり、売る時にも有利になるからだ。電気配線いじくり回して元に戻せません状態のバイクを買うか?って話。

バイク屋さんでキチンと取り付けられた純正部品なら問題ないが、明らかに素人が電気配線したバイクを誰が買うのか?(地雷?)

バイクに乗る以上、「数年後に売る」かもしれないという認識はないといけない。(俺は絶対10年乗るつもりなので俺流にカスタムしたけどね。)そしてその時に電気配線をすぐにノーマルな状態に戻せるように配線をしておくべきだ。

バッテリー直での別回路 (常時電源)

既存の配線は使わずに電気を使いたい場合、一番簡単なやり方は

バッチョク

と呼ばれる、バッテリーから直接電源を取る方法がある。

グリップヒータースイッチ

ただし、1つ問題がある。それは常時電源になってしまう事だ。

例えば、グリップヒーターのスイッチを切り忘れてエンジン停止し、その場を立ち去ってしまった場合でもグリップヒーターには電気が通電され続け、バッテリーの電気を使い果たすまで電気は供給され、結果バッテリー上がりになってしまう。

そんな配線では実用性が低く使い物にならない。

ACC電源の別回路を作る (ACC電源)

おすすめはこれ!

ネットで調べればわかるが、他の人たちもやっているリレーを使ったACC電源化というものがある。

ACC電源(アクセサリー電源)とはPCXの場合キーオンの位置で電気が流れる電源の事で、エンジンキーをオフすれば電源も遮断される為、バッテリー上がりの心配がなく、使いやすい電源だ。

既存の線はホーン配線にリレー作動用線を1か所だけ接続する。
(既存線に1か所だけ接続させてもらう)

この別回路はホーンの配線(ACC電源)に電気が流れると、バッテリーから電気が供給される仕組みなのでついうっかりスイッチを切り忘れたとしても、バッテリーが上がる事がない。

YBR125 ACC電源の別回路を作る

これは一例だが、京太郎のYBR125に新しく補助ライトやグリップヒーター、シガー電源を取り付けた際に作った”ACC電源の別回路”だ。

YBR125 ACC電源の別回路配線図

↑図はクリックするとpdfファイルがダウンロードできる。

リレーを使い、新電気回路(ACC電源)を作ってしまう。

バイク 電気パーツ

(電気パーツ単体は安いが数が増えるとそれなりに金額もかさむ。)

それなりの費用と作業時間、作る為の道具なども必要だが
一度取り付ければ安全で快適なバイクライフが送れる。

やるなら必ず自己責任で。

エーモン 2049

エーモン 2049

これはオーディオパーツとして販売されているが、リレーを使ったACC電源として使える。2000円くらいだし、自分であれこれ用意して作る事を考えると、これを買った方が安くつくと思う。

LED補助ライトを4個取り付けた京太郎のYBR125

既存の配線はメーカーがきちんと計算して電線径などを決めていますので、素人がむやみにさわるものではありません。バイクに電装品を取り付けたいのなら少し勉強して”ACC電源”を新規に作ってしまいましょう。グリップヒーターとヘッドライトは消費電力が高めなので注意してくださいね。

(右の写真⇒)はLED補助ライトを4個取り付けた京太郎のYBR125




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